



深夜、就寝しようかと横になっていた時に、ご連絡いただきました。
「こんな深夜にすみません。実は父が亡くなりまして、対馬に連れ帰りたくて連絡しました。」
連絡は娘様からいただき、病院には奥様と娘様がいらっしゃるご様子でした。他にも問い合わせをされてあるご様子でしたが、当社としてできる限り精一杯のご説明に努めました。
離島搬送に関して、いくつかの注意点があります。
①搬送費用によっては内地で火葬し、島に帰る場合がある(後々後悔される方が多い)
②空港のある島であっても、目視飛行にしか頼れない、計器飛行ができない空港があり、天候によっては、引き返す場合がある
③使用機材が小さい場合は、そもそも棺を搭載できない場合がある
④船便の場合、船会社によって棺のみを搭載できる場合がある
⑤船に搬送車を乗せて島に向かう場合、車は動かさなくても車両拘束の為に発生する「車両留置料金」がかかる(霊柩車運送事業許可を受けている登録業者は全て、これにあてはまる)
⑥空輸の場合は空港まで相手先業者さまにお迎えに来ていただく必要があり、その分別途費用がかかる
⑦当社では素早く福岡に戻る事も重要と考えているため、宿泊費などの費用請求を行わないため、費用が抑えられる
⑧施行葬儀社さまの施行プランに棺が含まれているケースが多く、棺を使用した搬送を行うと、単品計上の見積もりとなって費用が割高になることがある
⑨空輸や棺のみの乗船では、納棺式を故郷で行えないデメリットが発生、車両搬送を行えば、自宅や施行葬儀社までお棺に納めることなく搬送でき、ふるさとのゆかりある方々が集う中での納棺式が可能
⑩業者として手間がかかるのは、拘束時間が長い船便や陸送、ただし今までの多くの施行経験上棺に納めないまま故郷にお連れ帰ることが可能ならば、ふるさとの方々のためにも船便や陸送のほうが、後々のグリーフケアに繋がっていると強く感じる、といった注意点があります。
空輸と船便、双方の流れと費用のご説明をさせていただきまして、とある方法で船便でも費用負担が生じないご提案をさせていただきました。
お客様からは「他の会社では空輸の提案ばかりされ、『深夜だから陽が昇ってから詳しい説明をします』と不安が残る説明で、正直怖かった。船便の説明をされたのは、はなおもいさんだけで、詳しく説明をしていただき、空輸・船便のメリット・デメリットも良くわかりました。何より、父を棺に納めないまま対馬に帰れるなんて思ってなくて、費用にも驚きました!」と、数ある業者の中から、ご縁をいただきました。
フェリー出航が翌日深夜のため、当社で一晩預かり、皆様には一足先に自宅にお戻りいただき、受入準備をお願い、天候にも恵まれ、定刻0:20に博多港を出港、4:30に対馬・厳原に到着、港から40キロほど離れた自宅に到着する頃には夜も明け、波の音や鳥の鳴き声が響く、のどかな港に隣接する自宅へと到着、ご家族やご親戚のお出迎えをいただき「良かったねお父さん!帰って来れたね!!」とお父様との再会・触れ合いを感じてありました。
ふるさとあるあるなんですが、搬送後のご説明をしようとリビングで待っていたのですが、キッチンから朝ごはんの良い香りが・・・。
そう!奥様からのおもてなしがあり、島でとれたプリップリのイカの煮つけや野菜や海鮮のフライなど出していただきました!ただ、ゆっくり寝る暇なく対馬に到着したので、食後の眠気を考慮し、甚だ失礼ながら持ち帰りを申し出まして、奥様も娘様も「そうよね!お父さんを連れてきてくださったのに、イカやらフライやら!(笑)持って帰って下さるなんて、帰ってから召し上がってください!」と準備してくださり、搬送後の説明をさせていただき、家をあとにしました。
博多へのフェリーまでの時間、島内を散策し、帰りはゆっくりと仮眠できました。
この度のご縁に心より感謝いたします。
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